平成21年6月21日
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 クラッチ交換のため、これからトランスミッションを降ろす準備。
 トランスミッションは、エンジンの隣に接合されている。

 ネットで注文したクラッチが届くまでは部品の無い状態だが、トランスミッションをまともな工具も持っていない素人が降ろすという事は簡単な事ではないので、部品が届くまでにやっておくべき事が多い。
 まずは、トランスミッション本体のあちらこちらへ取り付けられている様々な配線・配管類とそれらのクランプ(ブラブラしないように一定の間隔で車体のフレームや、トランスミッションなどに固定している金具)を外す。
 大部分は、簡単なツメやフックで外せるようになっているが、劣化や腐食のために折れてしまったり、つぶれてしまう事がよくあるので、注意しながら進める。
 クラッチペダルからのリンケージを切り離す。
「割ピン」(ヒコーキの世界では「コッターピン」という)を取り外せば、簡単に引き抜ける。
 自転車のブレーキと同じ原理でクラッチペダルからワイヤの入ったチューブがここまで来ている。
 ペダルを踏むとワイヤが引っ張られて、このレバーが角度を変える→内部でクラッチを引き離す、という簡単な仕組み。
 割ピンを外すと、金属のワッシャと樹脂のワッシャが取れ、ワイヤのロッドエンドが外せる。
 樹脂のワッシャは、金属のワッシャと金属製のロッドエンドの間に入り、金属同士の摩擦(すり減り)を防いでいる)。
 クラッチワイヤの上流についているクランプを取り外す。
 クラッチワイヤと同様にギアのワイヤも取り外す必要がある。
 ギアは、運転席にあるギアレバーの左右方向の動き用と、上下方向の動き用の2本があるので、2本とも取り外す。

 ワイヤチューブの固定用クランプを取り外しているところ。
 上記クランプが緩んだところで、その先にあるロッドエンドを取り外す。
 奥の方のイヤなところにある。
工具が入らず、結局割りピンをグリグリやって根本から切断。
 クラッチワイヤのリンケージと同様に、金属
 作業の邪魔になるホースを外す。
このホースのクランプはプライヤでつかむだけで緩む簡単なもの。
 プライヤでつかんで緩んだ状態のままのクランプを上下に動かしながら、ホースの上流側へずらしたところ。
 あとは、ウォーターポンププライヤでホースを挟んで引っ張れば外れる。
 引っ張って外れたところ。
 ホースの露出部中間に分岐箇所がり、細いホースが枝分かれしている。
 ここも同様の手順で取り外し。
 最初に黄色いカバーを取り外してから。
 ゴムホースは、ブニョブニョしているので、プライヤでつかむと、逆に押さえてしまって余計に外れにくくなる事がある。
 力を入れないようにつかむのがコツ。
 それでも外れない時(長期間そのままでいたために接続口に堆積ゴミとともにくっついてしまって取れない事がある)は、マイナスドライバなどで縁に隙間を作ってやり、そこからスプレー式のオイルを注入してやれば外れやすい。
 クラッチワイヤのクランプを固定しているマウントを外す。
 12ミリのボルト2本で止まっているが、腐食していて12ミリのソケットで回したら簡単にボルトのアタマがナメってしまい(崩れてしまい)空回り・・・。
 11ミリのソケットをハンマーで叩き込み、ようやく外れた。
 今回は大丈夫だったが、この手段はソケットが割れてしまう事が多い。そうなったらもうそのソケットは使用できないので、新しくソケットセットなどを購入した時はこんな時用に古いソケットは破棄しないで保管している。
 俺は「捨てソケット」と呼んでいる。笑
 クラッチワイヤをマウントに固定しているバネ板を引き抜く。バネ板に針金を通せる穴があるので、そこへ針金を通し、ウォーターポンププライヤで引き抜いた。
 運転席のクラッチペダルの根本にあるアジャスタナットを緩める。
 アジャスタを緩めると、ワイヤがたるむので、ワイヤ先端部をウォーターポンププライヤで挟んで引っ張ればクラッチレバーからワイヤを分離する事ができる。
 固定用マウントからワイヤを取り外した。
固着していたのでマイナスドライバでこじって外した。
 取り外さなければならないマウントはもう一つある。
今度は、ギアのワイヤを固定していたマウント。
 これも12ミリのボルト2本で止まっている。
これもナメって11ミリの捨てソケット叩き込みで外した。
 叩き込み手法の前には、必ずスプレー式オイル(CRE 5-56等)をボルトに吹き付ける。
 一見、意味なさそうに思うかも知れないが、飛行機でもクルマでも整備の世界の常識で、堅く締まっているボルトの隙間をぬってねじ山までオイルが浸透し、緩め易くなる。
 完全に腐ってる。
もうこのボルトは使うのよそう。

 ってか叩き込みで外した時点でそのボルトは使用不能だ。

 修理屋さんで純正品をとってもらうと、日にちもかかるし、値段も高いので、ホームセンターで買って来よう。
 純正品の値段より遙かに安く、錆びないステンレス製のが買える。
 邪魔なラジエータホースを取り外し。
プロはきちんとクーラント液を抜いてからやるのだろうが、所詮は「水」。
 そのままクランプを緩めてホース引き抜き。
抜いたとたんにクーラント液がドバッ!と出てくる。

 ・・・ちょっとクサイけど、シカト。
 外れたラジエータホースを針金でよけておく。
 だんだん作業スペースが広くなってきた。
 邪魔な配線群の取り外し。
あっちこっちにクランプで固定されているので、一つずつ取り外す。
 各配線は、電線が裸になっているのではなく、いくつかの電線をまとめて保護チューブ(樹脂製の蛇腹)で覆われている。
 クランプを外したら、先端部分の端子を外す。
 ギアのワイヤのマウント、取り外そうとしたら「こんなところにもホースが」。

・・・外す。
 ホント、日本車っておったまげる。

 マウントが配管の一部を兼ねてる・・・。
 セルモータ(エンジンスタータ)の端子を切り離す。
 端子には、ゴム製の保護カバーがかぶせてあり、それをめくると端子が出てくる。
 電気系統いじるので、先にバッテリを殺さねば。
 バッテリーの「+」側ターミナルから端子を外す。
これで電気系統は死んだ。
 プロならまず最初にやる事だね。
基本動作不良ですな。
 素人作業ってことで念のため、ビニールテープでグルグル。
 これでいつのまにか外したはずの端子が接触して・・・
なんて事は防げる。

 作業中に「バシッ!」って火花飛ぶとエライぶったまげるからね。
 もう電気来てないんで、安全に作業ができる。
セルモーターの端子を切り離す。
 外したナットはなくさないよーに、端子を外した後にまた付けておく。
 スピードメータのワイヤを外す。
 初めて外す作業で構造がよくわからず、とりあえず引っ張ったら抜けた。
 これが回転すると運転席のスピードメーターが動いて運転者に今時速何キロかを教える。
 引き抜いた後をみて、「あ〜ぁ!」
ピンになってんのねー。
 ホントはこれを横方向に抜いてから引っ張って外すもの。
 雨がひどくなってきたので今日はこの辺で作業を終了した。
 手洗って昼飯だ!

 明日はジャッキアップと、下まわりの分解作業だ。